こんにちは
はにー(@honey_come0011)です。
今日のテーマはフッ素です。
現在日本で市販されている歯磨き粉の90%以上にフッ素が含まれています。
そのだけ、フッ素は虫歯予防に有効と認知されている証拠です。
でもひと昔前までは、フッ素は有毒だという声も多く、なかなか実現できなかったという過去もあります。現在も年配の患者さんから、「フッ素って大丈夫なの?」という不安の声もたまに聞かれます。
今日は、フッ素のあれこれを考察していきましょう。
- フッ素とは
- フッ素の用途
- 人体への影響
- 最後に
フッ素とは
フッ素(弗素)は、原子番号9の元素であり元素記号はF。
ハロゲンの一つです。
英語では、Fluorineです。
歯磨き粉の成分表に、「フッ化ナトリウム」や「フルオロ....」と記載されていれば、
それがフッ素となります。
自然界にも多く分布していますが、天然では蛍石や氷晶石などとして存在しています。
基本的にフッ素単体で存在することはありません。
実はフッ素単体で使用されることは少ないのです。
フッ素の単体は、非常に不安定かつ猛毒です。
白金やガラスさえも侵すため、その性質上単体で保存すること自体困難です。
そのため、化合物であるフッ化水素、フッ化ナトリウムなどのより穏やかな化合物の状態で保管します。
フッ素の用途
単体では不安定なフッ素も、化合物になれば極めて安定した性質をもちます。
そのため、長期間変質せず、分解されることもなく使用できます。
工業製品では、合成樹脂やゴム製品にフッ素を添加して、耐久性を底上げしています。
さらに、半導体装置の洗浄、自動車部品にも使用されています。
ロケット燃料の酸化剤としても使用されます。
余談ですが、昨年7月に日本政府が対韓国輸出規制を強化した半導体関連の3品目を覚えていますか?
そのうちの1つが「フッ化水素」でした。
日本はこのフッ化水素を高純度で生産することができる数少ない国でもあるため、このような強気な対抗措置ができたわけです。
人体への影響
人体への摂取が必須であると主張する先生も時々います。
日本で普通に食事をしていれば、自然と体内に摂取されますのでそれで十分であると考えられます。
海外ではフッ素のサプリメントもあるそうですが....
個人的にはなんかイヤだ。笑
さて、ここからは「フッ素症」についての話です。
今の日本で、フッ素症と診断されている人はごくわずかです。
水道水も95%以上の人は上水道で管理された水を使用していることも非常に大きいです。
フッ素症は骨と歯に影響が出やすいです。
骨のフッ素症が現在、蔓延している国として度々挙げられるのが、中国とインドです。堀り井戸の水にフッ素が多く含まれており、その井戸水を子供の頃から毎日摂取しているため、骨に異常が生じます。
初期であれば、骨量の増加や関節の硬直であるが、進行していくと慢性的な関節痛や靭帯の石灰化、脊椎や関節の変形などの影響もでます。
また歯のフッ素症も同様に地域の水原(井戸水や川の水)に含まれるフッ素量が多いと、歯のエナメル質に白斑や茶褐色の着色が生じて、見栄えが悪くなります。
重要なことは、虫歯による脱灰(歯が溶ける)とは異なるという点です。
これは、フッ素を過剰摂取したことによる歯の形成不全です。
実は、日本でもこれが大きな社会問題となった過去があります。
1971年(昭和46年)に兵庫県宝塚市で斑状歯(歯のフッ素症)の発生が表沙汰になった。この地域は、六甲山地を水源としており、水に水質基準を上回るフッ素が含まれていることが明らかとなった。その結果、水道事業者である宝塚市を相手取った、訴訟がおこったのである。現在、この宝塚市近辺で斑状歯認定された患者さんは、市の負担で歯科治療を一部受けられるようになっています。
したがって、フッ素症とは一種の風土病なのです。
地中のフッ素量が多く、温暖な地域ほど水をよく飲むため、フッ素症が発生しやすくなります。そのため、フッ素症が蔓延するのである。
解決策は、飲料水の管理です。
上水道の管理が最も確実ですが、コストもかかります。どうしても田舎や貧困地域では後回しになりがちですなのです。
最後に
こういった過去もあり、日本では主に年配の方を中心にフッ素に対する過剰な嫌悪感はいまだ根強いとも言えます。海外では、水道水にあえてフッ素を添加し、虫歯発生の抑制に成功している国も多くあります。(水道水フロリデーション)
ただし、反対意見も多い日本ではまだ実現には至っていません。
正しい知識と危険性を理解して適応することが重要です。
歯磨き粉やマウスウォッシュに含まれるフッ素が人体に悪影響を与えることはまず考えられません。安心してください。
我々、歯科医師はフッ素に対する危険性も十分理解しながら、フッ素入り歯磨き粉を勧めたり、治療後にフッ素剤を歯に塗ったりします。
不安であれば、かかりつけ歯科医に質問してみてはどうでしょうか?
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