はにかむブログ

歯医者がみんなの疑問にふんわり答えたり、写真撮ったり、雑記したりのブログ

水道水フロリデーションって何?

こんにちは

はにー(@honey_come0011)です。

 

「水道水フロリデーション」というワードを聞いたことはありますか?

簡潔に言うと、水道水にフッ素を添加して、上水道を使う人みんなに適切な量のフッ素を摂取してもらおうという公衆衛生対策です。

度々、日本国内でも議論が巻き起こりますが、反対派の意見も根強くいまだに日本の上水道では行われていません。

 

水道水フロリデーションは、何のために行われるのか?本当に必要なのか?推進派と否定派それぞれの意見とともに検討してみましょう。

f:id:honey-dental:20200425195537j:plain

  1. 水道水フロリデーションとは?
  2. 実際に行っている地域は?
  3. 自然環境中のフッ素濃度
  4. 日本での議論と現状
  5. 本当に必要か?
  6. 最後に

水道水フロリデーションとは?

「水道水フロリデーション」とは、日本語で「水道水フッ化物添加」「水道水フッ化物濃度調整」とも呼ばれます。

フッ素の化合物を、上水道中に添加し、多数の住民を対象として虫歯を予防する手法です。

 

地域により差はあるが、フッ化物を0.7ppm~1.2ppmの濃度で水道水に添加することが多い。これらフッ化物は、化学肥料や食品添加物の製造過程においてできる副産物であり、比較的安価で製造できます。

 

口腔内のフッ素濃度が高い状態で維持できると、歯のエナメル質を強化することができます。つまり虫歯菌の出す酸で溶けにくくなるのです!

フッ素による歯の強化については、また後日投稿しようと思います。

実際に行っている地域は?

日本の上水道ではまだ行っておりません。

正確に言うと、一部の在日米軍基地内でのみ行っているとのことです。

 

北米とオーストラリアでは、多くの自治体が費用対効果が良好との考えに基づき、水道水フロリデーションを実施しています。

アイルランドでは、国の法律で「水道水のフッ化物添加」を義務付けています。

2010年、アメリカ合衆国住民の約70%がフッ化物を添加された上水道を常用していることになります。

 

その他、ブラジル・香港・マレーシア・ニュージーランド・シンガポール・イスラエル・チリ・カナダ・英国など多くの地域に導入されています。

特に、シンガポールと香港では100%の住民がこの上水を摂取しています。

言い方を変えれば、「摂取せざるをえない」とも言えるでしょう。

世界的には、約4億人が水道水フロリデーションを享受していると考えられており、現在も増加傾向です。

 

これまでの各国の経過報告や論文より国家・民族・生活様式・虫歯有病率の違いがあるものの、現状の虫歯有病状況を半分以下にするとの報告も存在します。

一定の効果はありそうです。

 

もちろん、水道水にフッ素添加しても効果はない、むしろ有害であるとする報告や論文、一部団体も存在します。

 自然環境中のフッ素濃度

実は、フッ素は自然環境中に普通に存在するありふれた元素です。

私たちは、知らない間に多くのフッ素を身体に取り込み、また排出しています。 

参考までに、身の回りに含まれるフッ素(フッ化物イオン)濃度を示します。

 

日本のフッ素入り歯磨き粉:約950ppm

フッ素入りうがい薬(毎日法):約250ppm

歯科医院でのフッ素塗布剤:約9500ppm

日本の河川の水:約0.1~0.2ppm

海水:約1.3ppm

 

緑茶:約0.5ppm

ビール:約0.8ppm

エビ:約4.9ppm

食塩::約26ppm

牛肉:約2ppm

 

ヒトの骨:約1000ppm

ヒトの歯:約890ppm

ヒトの心臓:約2.3ppm

したがって、水道水フロリデーションによって添加するフッ化物は決して、薬剤みたいなものではなく、あくまで自然環境中にありふれたものであるということです。

そして、推奨量のフッ素を摂取することで虫歯予防を目的とすること。

また一部地域によっては、土壌や地下水に含まれるフッ素の過剰摂取をコントロールすることにもなるでしょう。

 

↓フッ素過剰摂取による健康被害はこちらをどうぞ。

www.honey-come.info

 日本での議論と現状

賛成派

 現在、WHO(世界保健機関)やFDI(世界歯科連盟)、厚生労働省、日本歯科医師会、米国歯科医師会など多くの団体や省庁、学会が、この水道水フロリデーションを推奨しています。

反対派

一部、NPO法人や財団法人、宗教法人や学術系団体などの反対意見も根強いです。

主な反対意見としては、

  • 歯のフッ素症(フッ素過剰摂取)のリスク
  • 骨肉腫・骨粗鬆症のリスク
  • 発がん性のリスク
  • 費用対効果の疑問性
  • 政治・経済上の利権が関係するという陰謀論
  • 個人が摂取する物質の選択権の問題

など様々です。

大部分が、根拠のない主張・意見であることは間違いありません。

反対派は必ず自分に都合のいいデータや論文をどこからともなくもってくるのでそれらしくも聞こえますが、水道水フロリデーションに関しては賛成派のほうが優勢ではないでしょうか。

それでも反対派が根強いのは、やはり反対を主張すること自体に存在意義を求めている小規模団体や個人の存在、またそもそも非常に保守的な考え方をする者はいつでもいます。こういう団体や個人に限って、各種ワクチンや新規薬剤などに片っ端から批判主張を繰り返している節もあるので、正直あまり信用できないところがあります。

 

反対派の方々は、感情的になってやみくもに理論武装するのではなく、もう少し相手の主張や意見に耳を傾けてもいいのでは?と思います。

余計なお世話かな??

本当に必要か?

 以上の現状やデータを踏まえて、ここからは私個人の見解です。

水道水フロリデーションの有効性を主張しておいてなんですが....

私個人は、「別に無理して実施する必要はないのでは?」と思っています。

フッ化物添加という考え方自体には賛成ですが、いざ実施するとなると気が引ける....そんな感じです。

まあ反対ではないです。

理由は反対派意見の最後、「個人が摂取する物質の選択権の問題」です。

先ほども述べた通り、上水道にフッ化物添加されると知らず知らずの間に虫歯率が下がってくれます。

しかし言い方を変えれば、「知らず知らずの間に、通常よりやや多めのフッ化物が体内に入る」「摂取せざるをえない」と言えるのです。なんとなく生理的に違和感を感じる人もいるでしょう。私も個人的にはそんな感じです。笑

個人の基本的人権という点で、決定したら最後摂取を余儀なくされることは間違いないです。まあ問題ない濃度であるとは十分理解してるんですけどね。

 

今後、大部分の日本人の意識が 賛成に傾いたとき実施したらいいのではと思います。

そのためにも歯科関係者や歯科医師会、厚労省などの国民に対する時間をかけた丁寧な説明が求められると思います。

最後に

 世界的にみても水道水へのフッ素添加は、十分な根拠と費用対効果、安全性、公平性が認められているとの意見でそろっています。

米国疾病予防センター(CDC)は、「水道水フロリゼーションは20世紀における公衆衛生上の10の偉大な業績の一つである。過去60年以上にわたって、虫歯の発生率を下げる主要な要因であり続けている。」と説明している。

 

今後のフッ化物添加に対する調査結果や国民の意識変化なども注視していきたいと思います。

 

↓応援クリックお願いします↓

にほんブログ村 健康ブログへ

 

www.honey-come.info

www.honey-come.info

www.honey-come.info