はにかむブログ

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親知らずは本当に抜かなきゃダメ??

 

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こんにちは、はにーです!

この質問も毎日のように皆さんから頂く質問です。

できれば歯は抜きたくない、と誰もが思いますよね。

どういった場合に抜く必要があるのか。

放っておいても問題ないのか?

みんなで考えてみましょう。

 

親知らずについて

前から8番目、通常一番奥に生えてくる大臼歯です。

ただし、現代人は顎の大きさが小さく退化しているため、8番目までまっすぐ生えるスペースがありません。したがって、斜めに傾いて生えたり、一生顎の中に隠れたままというパターンも多いです。そもそも、親知らずが存在していない人も多くいます。(先天欠如)

 

まっすぐ生えてきている場合

口や顎のサイズが大きい人であれば、上下左右の親知らずがまっすぐ生えている人もいます。普段の食事も問題なく食べれている、ブラッシングも十分にできている場合は、抜かずに経過観察とします。

 

 

顎の骨の隠れたままの場合

この時は、症状がなければ様子見として経過観察していくことも多いです。

時に、手前の臼歯を押すことで、違和感や痛みが出てくることもあります。

その場合は、抜歯を進めることもあります。

 

斜めに生えている場合

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このパターンが一番危険です!

手前の臼歯倒れ掛かってくる傾き方が特に多いです。この場合、隙間に磨き残しが、蓄積します。そのまま虫歯にもなるでしょう。歯茎が腫れてくることも多いです。よっぽど丁寧にブラッシングができない限り、抜歯してしまうほうが得策です。

その際、手前の臼歯に、一部虫歯ができていることも多いです。その歯の治療を、確実に行うためにも、結局親知らずを抜く必要があります。

 

やっぱり痛いの?

意外と知られていませんが、上下で親知らず抜歯の難易度や予後も大きく変わります。

上の親知らずであれば、30秒ほどでスポンと抜けることも多いです。

下顎の親知らず抜歯と比べると、腫れたり痛みが出ることも少ないです。

「え!?いつの間に抜けたの??先生天才!?」とよく驚かれます。笑

 

しかし、下顎の抜歯は、2~3日後をピークに大きく腫れることも多いです。

上顎とくらべて血流が多いのも原因と言われています。

抜歯後しばらく、片側だけほっぺたが腫れている人を見たことがあると思いますが、あれは大抵下顎の親知らずを抜いた場合ですね。

また、多くの場合歯を分割しながら、少しづつ抜く必要があるため時間もかかります

大きく開口してもらう必要があるため、患者さんも術中しんどいです。

「先生痛すぎる....」と意気消沈して帰って行かれることも時にはあります。

 

さらに、高齢になるほど歯と顎の骨が癒着する(くっついてしまう)ため、抜きにくくなります。したがって、顎の骨も柔軟であるなるべく若い間に抜いておくのがベストです!

 

親知らずを置いておくメリットはあるのか?

しいて挙げるなら、歯の移植を行う時のためにストックしておく、という考え方です。

親知らずはあってもなくてもさほど食事に影響しません。

ただし、6番目の大臼歯を失うと一気に物を噛む効率(咀嚼効率)が落ちてしまいます。万が一、手前の大臼歯を喪失した時に、親知らずが残っていれば、その親知らずを抜歯し、手前に移植する方法があります。

あまり、やっている先生も少なく、必ず成功するともいえませんが、その時のためにリザーブしておくという考え方はできるかもしれません。(レアケースですけどね 笑)

 

結論

「親知らず」は、存在していることが、口の小さな現代人にとってはリスクとなることが多いです。したがって基本的にはなるべく若い間に抜いておくに越したことはないという感じです。

「絶対に抜かなきゃダメか?」と聞かれたら、その人の親知らずの生え方、年齢、ブラッシング状況、妊娠しているか否か、全身疾患の有無、服用薬の状況などを考慮して、担当医は判断します。

十分に相談し、納得できたら、抜いてもらいましょう!

 

ではまた!

 

 

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