はにかむブログ

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新型コロナ流行中。いま歯科治療はいくべき?延期すべき?

現在診療をしていると、治療の予約を控えた患者さんからよくこんな連絡をもらいます。

「感染症が心配ですけど、治療は継続して通った方がいいですか?」

 

最後は、患者さんの判断ですけれども、処置内容にもよると思います。

処置の内容別に考えていきましょう。

 

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  1. 歯のメンテナンス(3~4ヶ月)
  2. 親知らずの抜歯
  3. 歯周病治療
  4. 虫歯の治療
  5. 歯の神経の治療
  6. その他

定期的な歯のメンテナンス

予約内容が3~4ヶ月に1回の歯のメンテナンスであり、現在特に症状もないのであれば、中止・延期してもらって構わないと思います。その予約が数か月先になったところで、歯ブラシ習慣などが劇的に変わらない限り、問題無いことが多いです。

 

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親知らずの抜歯

親知らずが今現在腫れている真っ最中なのであれば、抗生剤と鎮痛薬でまず抑えなければいけませんので、すぐに歯医者にいって診てもらいましょう。場合によっては、その場ですぐに抜歯してもらえることもあります。

 

ただし、現在症状はないけれども、「次回親知らず抜きましょうね。」と言われている予約なのであれば、急ぐ必要はありません。それよりも今の自宅謹慎を優先して、予約をキャンセルしても構わないと考えられます。特に満員電車や人の多い駅構内を通る必要があるのであれば新型コロナウイルス感染のリスクのほうが高いです。

 

そして事態が収束したら、必ず歯科医院に連絡することを忘れないようにしましょう。

 

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歯周病治療

現在も炎症で腫れている、ずきずき痛む、噛んだら痛いなど症状があるのであれば、早めに見てもらいましょう。食事ができないほうが問題です。

 

また歯周病治療で特に1~2週間ごとに麻酔をしながら歯石とりを行っている患者さんであれば、なるべく予約通りに継続してもらいたいです。

 

しかし、先ほども言った通り、歯周病治療と称して3~6ヶ月間隔での定期的なメンテナンスのみに終始している医院も多いです。この時は、主に歯科衛生士さんがほとんど処置していると思います。その場合は、1~2ヶ月延期したところで、急激に悪化することは少ないですので、歯科医院と相談したうえ、キャンセルすることも考えましょう。

虫歯の治療

虫歯の治療にも種類があります。比較的小さな虫歯でその日に詰めたら終わるぐらいのものであれば、1ヶ月ほど延期しても急激に拡大することはありません。

(子供の歯は虫歯に弱いので、やや気をつけなければいけませんが。)

 

しかし、比較的大きな虫歯で痛みや冷たいものがしみるなどの症状が出ているのであれば、きっちりと通いましょう。人生80年、はやくに歯失うダメージは大きいですからね。

 

どこまでの虫歯が大きいか、小さいかなんて普通の人には分からないと思います。

不安であれば、電話で予約通り通院に通うべきか、しばらく延期していいか相談しましょう。

歯の神経(根管)の治療

「歯の神経を抜きますね」「歯の根っこの中の消毒をしますね」「歯の根っこの先に膿の袋がありますね」こんな説明で治療をされている最中なら、要注意です。かなり繊細な治療中ですので、その歯の処置が一段落するまで(根管内に最終的な薬を入れて終わるまで)は、必ず通うべきです。

 

途中でストップして歯の根っこの中に細菌(唾液)が入り込んだら、治療のやり直しになります。長期で放置すると、そのリスクも上がります。その後の歯の余命にも関わってくることもあるので、症状が落ち着いていてもしっかり通院してほしいところです。

 その他

歯のホワイトニング、着色が気になる、こういった審美的な内容なら1~2ヶ月延期しても問題ないでしょう。昨今の諸事情を考慮して、予約は延期しましょう。

 

矯正治療中の方は、専門の先生によって考え方も変わります。どうしても感染症が心配であれば、一度かかりつけ医に相談しましょう。

ただし、矯正治療を今から始めたいという場合は少し、送らせてもいいでしょう。予約を見合わせましょう。

 注意!

まず患者さんへのお願いです。

 

無断キャンセルはやめましょう!

これは、患者さん・お客さん問わず、人として論外です。

電話一本入れるくらいできると思います。

できれば前日までにはキャンセルの電話を入れてください。

歯科医院も経営しているのです。その無断キャンセル1つで大きな赤字がでます。

歯科医院によっては、繰り返すと罰金制度やペナルティを設けるところも最近はあります。患者さん、歯科医師、スタッフともに気持ちよく進められるよう、無断キャンセルは絶対にやめてください。

 

次にスタッフさんへの注意です。

SNSをみていると、歯科治療従事者、スタッフさんがたまにこんなツイートをしています。「こんな感染症流行時に、なんでメンテナンスにわざわざ来るのか!この患者信じられない!」などの投稿が結構あります。

これも、違うと思います。

患者さんがおもう軽症と医療従事者がおもう軽症は、大きく乖離していることが多いです。一度「歯周病がありますね」と診断された患者さんは、やはり不安に思います。少しでも歯周病の進行を遅らせようと、3~6ヶ月の定期メンテナンスとはいえ必死なことも多いです。その気持ちを察すれば、こんな心ない投稿はできないはずでは?と思います。

歯周病と診断された患者さんからしたら、その通院は不要不急ではないのですから。

 

少なくとも2020.4.4現在の日本では、ロックダウン(都市封鎖)や歯科医院の休院を指示されているわけではありません。日本は長期戦を見据えて、経済活動をある程度維持しつつ、感染爆発を抑えるという方針で世界から注目されているところです。歯科医院としては、医院閉鎖を決定していない限りは、「来るもの拒まず」で踏ん張るしかないのです。

 

最後に経営者である歯科医師です。

今回の感染症の性質や規模をみると、どの業界においても本当に「経営者泣かせ」な事態だと思います。オープンしたばかりの事業所は本当に運が悪いとしか言いようがないです。

 

歯科医院も同じです。

経営のためにも、行政の指示があるまでは、クローズする必要はないと思いますが、最大限の感染症予防をつとめるようスタッフに指示しましょう。消毒は習慣です。習慣化してしまえば、そこまで苦ではないですからね。

発熱等でたスタッフはすぐに休ませ、検査に行くよう指示しましょう。(実際にPCR検査してもらえるかは、また別の話ですが。)

 最後に

僕個人的には、歯の治療は不急なものはあっても、不要なものはないと考えています。不要な治療なんてわざわざしませんし。

1.なんらかの症状があればなるべく早めに予約をとって診てもらう。

(都市封鎖されたらそれこそ診てもらえなるので)

2.症状がなければ、1~2ヶ月延期も検討する。

3.でも虫歯が広がっていく可能性も心配なら歯科医院に相談して決める。

4.定期メンテナンス、ホワイトニング、審美的な問題であれば、事態が収束するのを待つ。

5.中止した予約は、事態が収まったら忘れず再度連絡すること。

こんな感じでいいのかなと思います。

 

 

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