こんにちは
はにー(@honey_come0011)です。
今日は、8020運動の話です。
1度くらいは、聞いたことあるのではないでしょうか?
8020運動(はちまるにいまる運動と呼びます)とは、日本で展開されている歯科に関する運動です。主に厚生労働省や日本歯科医師会が推進しています。
簡単に言うと、「80歳で20本以上の歯を残そう!」という運動です。
では、その前に1つ質問です。
成人の歯は最大で何本かご存じですか?
↑ これが成人の歯並びです。
最前列から最奥まですべて並ぶと8本です。
それが上下左右あるため8×4=32本となります。
しかし、最奥(8番目)の歯は「親知らず(智歯)」であり、顎が小さくまっすぐ生えてこない人、そもそも存在しない人も少なくありません。
そのため、現在は7×4=28本生えていれば、すべて歯がそろっていると歯科では一般的には考えられています。
話を「8020運動」に戻します。
「80歳の時点で、MAX28本中20本の歯が残っていたら、目標達成!」ということになります。
これ、みなさんどう思いますか?
案外行けそうと感じる方もいるでしょう。
すでにそれ以上失ってしょんぼりしている方もいるでしょう。
治療を受けすぎて、今何本か分からないという方もいるでしょう。
実際の数値ではどうでしょうか?
1999年の調査では、80歳で20本以上残存歯がある者は、約15%でした。
少なっ!普段都市部で毎日診療している私の感覚ではこんな印象です。
さらに、2005年に行われた調査では、80~84歳で20本以上の残存歯がある者は、21.1%と大幅に増加しました。
さらにさらに、2016年の調査では、8020達成者の割合が、51.2%に達すると推計されています。
これは、日本国民が自分の口の中にも普段から意識を向けている(口腔衛生意識の向上)といえるのではないでしょうか?こうして数字で見せられると、日本中の歯科医療従事者は、やりがいを多少なりとも感じるのではないでしょうか?
ちなみにこの8020運動は、日本が生活習慣病予防なども考慮して取り組んでいる「健康日本21」(正式名は、21世紀における国民健康づくり運動)という政策の中にも組み込まれています。
そこでの数値目標は、
「満80歳で20本以上歯が残っている人の割合が20%以上」
でした。
つまり、初期の目標はすでに達成できているのです!
この結果を、日本の歯科界は大きく取り上げ、喜んでいた方もいたそうですが…
「そもそも目標が低すぎないか?」という指摘も散見されます。
ちなみに、予防歯科先進国のスウェーデンの8020達成者割合はどれくらいかわかりますか?なんと驚異の80%越えだそうです。そう考えると、日本も先進国といえど口腔内への意識はまだまだ低いと言わざるを得ません。
特に、低所得者層、母子(父子)家庭など家庭環境に何らかのネックがある子供は、用初期からの虫歯が多かったり、つまり歯ブラシ習慣ができていないことも多いです。こういった家庭、子供に重点的に歯ブラシ習慣の定着、子供の口腔内にもっと意識を向けさせるだけでも、歯の喪失を減らすカギがあるのでは?と思いながら診療している毎日です。
まじめな話になってしまいましたが簡単にまとめると、
「日本人が失う歯の本数は年々減っています。
でも先進国と比較するとまだまだ自慢できるほどのものじゃないよ。
喜ぶのは早いよ、もっと頑張れるんじゃない?」
というお話でした 笑
最後になりますが、
意外と自分の歯の本数を知らない患者がほとんどだったりします。
生まれつき人より歯の本数が少ない人も意外と多いです。(先天欠如)
「今、私の歯は何本ありますか?」
今度歯医者に行ったら一度聞いてみてはいかがでしょうか?