こんにちは
はにー(@honey_come0011)です。
キシリトールガムは「歯にいい」「虫歯を予防する」とよく耳にしますが本当でしょうか?
普通のガムと何が違うの?
どんなタイミングで噛むのがいいの?
デメリットはあるの?
以前紹介した、「脱灰と再石灰化」を復習しながら今日はガムのお話です。
- キシリトールとは?
- 脱灰と再石灰化
- 唾液の重要性
- キシリトールガムの食べ時は?
- 注意すること
- おすすめキシリトールガムは?
- 最後に
キシリトールとは?
白樺などの木の構成成分であるキシランヘミセルロースという成分から作られています。つまり天然由来の甘味料です。1970年代から予防歯科の観点で注目されてきました。甘味料にも関わらず、虫歯菌(ミュータンス菌)による酸の酸性がほとんどなく、またミュータンス菌の代謝の一部を阻害することから、非う蝕性の甘味料として有名です。
もう少し詳細に説明すると....
ミュータンス菌は、本来ショ糖(砂糖)などの糖を分解します。その時に生成される酸(主に乳酸)によって歯を溶かしていくのです。ですが、キシリトールはミュータンス菌によって分解されることはなく、酸も全く産生されません。さらに、分解できない糖であるにもかかわらず、ミュータンス菌はどんどんキシリトールを取り込んでしまいます。したがって、糖の代謝が阻害され、ミュータンス菌自体を弱体化させることができるのです。したがって、長期にわたってキシリトールを摂取すると、虫歯のできにくい口腔内になっていきます。
脱灰と再石灰化
以前当ブログで紹介した内容をまずは簡単に復習です。
我々の歯は毎日、「脱灰⇄再石灰化」を常に繰り返しています。
骨や血管などすべての組織・細胞において似たような現象は常に行われており、「リモデリング」と呼ばれています。人体で最も硬いといわれるエナメル質であっても同様です。
脱灰とは、プラークが放置されてpHが低下した(酸性に傾いた)際に、エナメル質からカルシウムイオンやリン酸イオンが溶け出すことをいいます。
それに対して再石灰化とは、プラークが除去され口腔内のpHがもとに戻ると再び、エナメル質の中にカルシウムイオンやリン酸イオンが戻っていくことをいいます。
ひとたび食事をすると、我々の口腔内は酸性に傾きすぐに脱灰が始まります。
そして飲食をやめて30分以上すると、pHは戻っていき再石灰化が再度スタートします。
このようにして我々の歯は毎日、「脱灰⇄再石灰化」を常に繰り返しているのです。
「食事をやめて30分すると、pHが回復し再石灰化が再び始まる」
この30分というところが重要です!
だらだら間食していると、この時間はいくらでも伸びてしまい脱灰が進んで(虫歯が進行)してしまいます。
できればこの30分という時間、なるべく短くしたいですよね?
そこでポイントになってくるのが食後の唾液量です。
唾液の重要性
実は唾液自体に、酸性に近づいたpHを戻す作用(pH緩衝作用)や抗菌作用をもっており、虫歯予防に重要なカギとなる成分を多く含んでいます。進化の奇跡です!
したがって食後30分という時間は、食後に唾液がたくさん流れているほど短くなるのです。食後すぐに唾液をたくさん出すこと自体が虫歯予防となります。
キシリトールガムの食べ時は?
以上より、虫歯予防という観点でキシリトールガムを最も効果的に取り入れるなら、食後すぐと言えそうです。
私もこれには大賛成です。
食後の「歯ブラシ」の前に、「キシリトールガムの時間」を20分くらい設定しておく方がむしろ「歯を再石灰化させる余地を与える」という意味で有効と考えられます!
予防歯科先進国である北欧諸国では、食後のキシリトールガムが生活習慣となっている家庭も多く虫歯率低下に大きく貢献しています。
実際スウェーデン、フィンランドとみてきましたが、スーパーで売られているキシリトールガムの種類も非常に多く、どれを買おうか迷うくらいです。
注意すること
キシリトールの副作用として一般的なのが、「下痢」です。
食べすぎると(キシリトール成分を摂取しすぎると)お腹がゆるくなりやすいです。
特に小さな子供は注意しましょう。
市販のキシリトールガムで、下痢が生じる量となると相当な個数のガムを噛む必要があると思いますが、もちろん個人差もあります。
成人であれば、1日に5~8個ほどに抑えておきましょう。
おすすめキシリトールガムは?
実は、市販のキシリトールガムは、キシリトール配合量が少ないものも多いです。
しっかり効果を出すためにも、キシリトールの量が多め、さらに石灰化を促進する成分が含まれているガムを選ぶのがお勧めです。
つまり歯科専用のキシリトールガムが効果が高いと思われます。
ネット上でも買えるのでいくつか載せておきます。
オーラルケアのキシリトールガムです。
甘味料はキシリトール100%です。
歯につきにくく、歯科医院でもお勧めしやすいです。
さらにコチラも歯科医院の窓口でよく売られています。ポスカです。
歯の石灰化を促進する「CPP-ACP」が多く含まれています。
さらにフッ素とカルシウムも配合されており、歯を強くします。
最後に
余談ですが、「キシリトール」と発音しているのは日本くらいです。「Xylitol」と表記されるため、諸海外では「ザイリトール」と発音されることが多いです。日本では誤った発音がそのまま定着してしまったともいわれています。
もちろん何か食べた後は、歯ブラシが大原則です。
しかし、食後すぐにブラッシングできないとき、運転や仕事がしばらく続くとき、そういった時には最適だと思います。
デスクや運転席などパッと手に取れるとこに置いておきましょう。
「歯を磨いた後に食べてもいい唯一の食品」とも言えます!
上手に生活に取り入れていくと、きっと知らない間に虫歯予防ができるでしょう。
↓応援クリックお願いします↓