はにかむブログ

歯医者がみんなの疑問にふんわり答えたり、写真撮ったり、雑記したりのブログ

お口の中をみれば家庭環境がまるわかり?

歯科医をしてると、子供の口も毎日のようにみることになります。

大人しく口を開けてくれる子もいれば、ギャンギャン泣きわめいてどうしようもない子供も少なくないです。

歯医者さんの中には、子供嫌いの人も多いです。笑

気持ちは、分かりますけど本当に嫌そうな顔する歯医者さんはどうかと思います 笑

 

ちなみに僕は、子供が来ると本領発揮とばかりになぜかやる気が出ます。

なぜなら、子供をうまく見ることができれば、その家族もみんな患者として来てくれるからです。大人も歯医者は嫌いです。だからまず我が子でそのドクターを試す人が多いのです。結構、そんなシーンをよくみてきました。残酷です。( ゚Д゚)

 

では、本題です。 

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乳歯(子供の歯)

生後6ヶ月ごろから下の前歯から生えてくる(萌出する)ことが多いです。

1歳ごろでは、上下4本ずつ、計8本くらいになります。

2歳半ごろには、乳歯20本が生えそろいます。

 

これら子供の歯は、6歳前くらいから抜けてきて、大人の歯に順番に生え変わります。

特に6歳に生えてくる前から6番目の奥歯(第一大臼歯)を6歳臼歯とよび、物を噛むときに、そして今後歯並びを構築するうえで、最も大切なキーになります。

 

しかし、6歳でこの奥歯をちゃんと磨くのは至難の業です。

ちゃんと、両親が仕上げ磨きしてあげないと、すぐに虫歯になってしまい、歯並びや咀嚼効率の低下につながります。

 

つまり口の中を見れば両親あるいは、子供を育てる者の愛情が如実に表れてしまいます。

 

髪の毛は伸びてくれば、見た目も煩わしいため、すぐにハサミを入れるでしょう。

爪が伸びてくれば、危ないからとすぐに切ることもできるでしょう。

6歳なら、ある程度自分から「前髪何とかして」と警告を出せるでしょう。

他人がみたら、「あら髪の毛のびたわねー」「そろそろ爪きってあげたら?」などと気づかされるでしょう。

 

でも口の中はどうでしょうか?

痛くならない限り、子供は絶対親に警告・信号を出してくることはないでしょう。

鏡で自分の口を逐一チェックしている子供なんでいませんから。

なにより、外から見てもわかりません。

痛いと言い出した時には、もう手遅れ....なんてこともよくあります。

 

 

そしてここからは、歯科界では常識のちょっとした裏話ですが、、、

共働きで両親があまり家にいない家庭、ひとり親の家庭、経済事情に問題がある家庭などでは、やはり虫歯の割合が高めであるという報告があります。

必ずそうという訳ではありません。ただ比較すると、その割合が高いということです。

 

アメリカでは、もっと厳しいです。矯正してない歯並びの不整があるだけで、経済的弱者や家庭崩壊など変なレッテルを張られます。最近は、個性としてある程度の歯列不正も、そのままにしているハリウッド俳優も増えてきましたが....

 

欧米と比較すると、日本は歯並びに対して比較的、寛容だと言えます。

 

子供と向き合う時間が減る以上、ある程度やむを得ないところもあります。

しかし、中にはすべての歯に虫歯が広がり溶けたような状態(ランパントカリエス)の子供も稀に見うけられます。これは、もう仕上げ磨きしてるか否かという次元ではありません。

 

これはもう、ネグレクトという名の虐待です!

 

ネグレクト・・・無視すること。養育すべきものが、世話を怠り放置すること。

 

食事さえ与えておけばいいのではありません。

そのあとのお風呂、歯磨き、就寝まで含めて教育です。当然子供を見る時間が減るほど、一つ一つにかける時間も減るでしょう。知らない間に、お菓子やジュースも飲み放題になっている家庭も実は多いのです。子供をおとなしくさせるには、それが一番早いのですが、これも虐待の1つなのです。

 

ちなみに、すべての歯に虫歯がひろがるようなランパントカリエスの状態を発見したら、我々歯科医師は、歯磨き指導だけでなく、虐待の可能性を考慮して、時には通報しなければいけません。なるべくしたくないんですけど、その子の未来のためなので!

 

さらに、余談ですがとある有名私立中高では、お受験の面接の際、子供の歯並びを矯正治療もせず放置しているだけで、減点するところもあります。両親の目が行き届いているか、学校側は、そこまでチェックしているのかと初めは驚きました。

 

お口は両親でも簡単にチェックできる唯一の消化器です。

学校の歯科健診だけじゃ、少ないですし漏れもあります。

理想は半年に1回くらい子供を連れて歯医者に検診に行きましょう。

せめて小学校低学年くらいまでは、1日1回 口の中まで覗いてあげましょう!

 

これが本当の愛情です!本当にそう思います。

 

 お口の中は、家庭環境の写し鏡ですからね!

 

 

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